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雑多ジャンル小話及び時々オフライン情報。初めましての方はアバウトからご一読下さい。
2025年12月30日 (Tue)
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2011年04月21日 (Thu)
日曜日はお疲れ様でした!楽しかったー!ついったのお知り合いの方やら色々構って頂けて幸せでした!らぶ!

しかし当日はルイノアルイのオフ本を落とした上に無料配布ペーパーの印刷ミスってしまっていたので机上には置かずポスターには「忘れました」って明記してました…(結構笑われた)
忘れてない!忘れてはいない!!!鞄の中にありましたよ!ミスってページめちゃくちゃなやつだったらな…!
当日の朝、印刷して行こうとしたら何か両面がうまくいかなくて、途中でめんどくせ!になってやめてしまいました……うん……ぎりぎり良くないですね…

本購入下さった方、差し入れ下さった方、本当にありがとうございました!!!!!

インセププチのサークルPOPがかわいすぎてこれ別のイベントでも使えないかと思案中…。
使ってもいいよね…!いいよね…!かわいい!!!!

めも:セブンネットプリントにPDF送る時点で両面にしやすいページ配分にしておく

という訳で続きから無料配布にしたかったルイ+ノア小話です。





 
 ごほごほと痛みの伴う咳を繰り返し、ルイは虚ろな瞳で天井を見上げる。
 頭がぼんやりとし、思考が纏まらない。
 ゆるやかな死のような物を遠くに感じる物悲しさを覚えながら、ルイは耐えず訪れる眠気に抗いつつも時計へと視線を向けた。
無事に終わっていればそろそろ帰ってきてもおかしくない時間だと気付き、ルイは不安に押し潰されてしまいそうになる。
 それ程難しい仕事では無い筈だったが、その計画を立てられなかった事も、現場に居られない事も様々な事が頭を過り、歯痒さを覚え悔しさが瞳に滲む。
 緩んだ感情は起伏が激しく、怒りから生まれる潤みとも熱で朦朧としているのかも判らない視界のまま、ルイは帰宅を待つ犬のように玄関に繋がる扉をじっと見つめていれば、がちゃりとドアノブが回る音が耳に届く。
「ルイ?」
 起きていた事に驚いたようなノアの声にルイは安堵の溜息をつき、そのまま意識を手離した。
 
 
 ひんやりとした感覚に目を開ければ、漸く少しずつ見慣れてきた少し大きくなった背中が飛び込み、ルイは呂律の回らぬ口で問い掛ける。
「ノア…?」
 何をしているのかと続けようとした唇は振り返ったノアの表情に固まる。
「……良かった」
 小さな安堵の声と共に向けられたその顔に目を奪われ、ルイは返す言葉が咄嗟に見つからない。
「具合は…?」
 小首を傾げ問い掛けるノアの口元は血で滲んでおり、ルイは恐る恐るとノアの名前を呼び、ゆっくりと起き上がった。
「顔…が…」
 呆然と紡げば、あぁ、と億劫そうな声を上げ、ノアは今更ながら口元を隠そうとするが、すぐに誤魔化す事を諦めたように肩を竦めた。
「うっかりしてた」
「無事に終わったのか…?」
 痛々しげな腫れに不安を隠しきれずに問えば、大丈夫、とノアは頷く。
「問題ない」
「良かった」
 ノアの返事にほっと安堵の溜息を吐きながら、ルイはどこか寂しさも覚える。
 自分が居なくても問題が無いのではという一度抱いた疑問は消えず、思わず俯いてしまえば、「でも、」と小さなノアの声が続いた。
「一人だと色々面倒だな」
「……ノア?」
 ノアの言葉が信じきれずに愕然と顔を上げてノアを見れば、ノアは小さな笑みを浮かべてルイを見つめていた。
「早く元気になってくれないと困る」
 ぽつりとした弱音にルイは耳を疑うが、溢れる喜びが止まらない。
 弱った心にノアの言葉はダイレクトにルイを刺激し、ルイは滲む視界に気恥ずかしさに俯いてしまえば、それに気付かずにノアが感情の見えない声で呟いた。
「それに、まだ始末しないといけない奴は残っている」
「…そう、だな」
 滲んだ涙が乾いてしまいそうな感覚。
 その暴力性は今までノアの中で抑制されていたものなのか、ここ数カ月、仕事の量に比例する形でノアは体格さえも変えていた。
 元々小柄な体格だったノアがルイの背を抜いたのは最近の話。
解放された暴力性とそれを追いかけるように身長が伸び、同時にルイの言葉に従う形で鍛え始めた筋肉が付き始めた肉体は時折違う人間のような異様な威圧感さえ与えるが、それはルイの創造心を刺激していた。
けれど昔のノアを思えばどこか機械のようになってしまった彼に痛みが生まれる。
「ルイ?」
 どこか弱い声で同意したルイにノアは眉を僅かに寄せ名前を紡げば、ノアは緩く首を横に振り、何でもない、と声も出さずに答える。
その反応にノアは僅かに不満げな色を残しながらも、じゃあ、とルイに背を向けてしまい、ルイは咄嗟にその服の裾を掴んだ。
「―――、」
 頭よりも先に体が動いてしまい、ルイは遅れてやってきた気恥ずかしさに頬を赤く染める。
「何」
 何事かと強制的に足を止められたノアが僅かに驚きを含ませて問うが、ルイは自分の行動を説明出来ないと俯くだけで。
掴んだ指先は自分の意思でもなかなか離れず、ノアはどこか幼い子供を窘めるように裾を掴んだルイの指先をゆっくりとほぐしていく。
「寝ていろ」
 病人なんだから、と促され、ルイは戸惑いながらも頷き、ベッドに仰向けになる形を取った。
「おやすみ」
 優しい声と共に熱を持った頬を冷やすようにとノアの掌がルイの頬を撫でる。
 それはルイの癖を真似するかのような仕草で、ルイは優しく頬を撫でる掌に滲む涙を誤魔化すように咳を繰り返した。
 

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